アメリカ大手金融機関シティグループは、アラブ首長国連邦(UAE)の政府系ファンド・アブダビ投資庁(ADIA)から融資を受け、サブプライムローンで受けたダメージから再出発しようしています。
中国やロシアでもその設立が相次いでいる政府系ファンド、ソブリン・ウェルス・ファンドとも呼ばれますが、その存在感は日に日に増しています。
日本においても、近年その設立が叫ばれるようになり、新たな議論の一つとなっています。
そもそも、ソブリン・ウェルス・ファンドとは一体何なのでしょうか?
ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Funds:SWF)とは、各国政府が直接・間接的に運営するファンドのことを指します。
国家が保有する金融資産を最大限活用し、多様な資産への投資を行っています。
民間のヘッジファンドと比較してもその規模ははるかに大きいもので、国際金融における存在感は圧倒的なものです。
最も有名な
SWFは先に述べたアブダビ投資庁ですが、他にもシンガポールや中国の
SWFが有名です。
主要な各国のSWF
UAE
| →アブダビ投資庁
|
シンガポール
| →政府投資公社、テマセク
|
中国
| →中国投資有限責任公司
|
クウェート
| →クウェート投資庁
|
ノルウェー
| →政府年金基金
|
ロシア
| →ロシア安定化基金
|
なぜ、いまSWFか?
SWFが昨今存在感を増してきた背景には、多くの
SWFが積極的な運用方針にシフトしてきたことによります。
元来、政府が保有する金融資産はその性格上、国債など低リスク性商品への投資が基本であり、高収益を求める積極運用は敬遠されてきました。
しかし最近の
SWFの動きは、一企業への出資など、リスクを限定したものではありません。資源高騰により中東諸国が潤沢なオイルマネーを保有していたり、外貨準備高が膨れ上がっているからです。
SWFのポートフォリオはその多くが国家機密とされ開示はほとんど行われていません。
しかしその規模や政府がバックについているという性格ゆえ、世界の注目を集めているのです。
日本版SWF
日本にも
SWFを創設する背景は整っています。外貨準備高は
中国に次ぐ世界第二位でありながら、その多くが米国債で運用されており、余剰資金をさらなる高収益投資対象で運用すべきとの声は与党からも上がっています。
しかし現実には、日本版
SWFの実現は容易ではありません。
主な反対論はリスクアレルギーと国家債務の削減です。
SWFはその性質上、ハイリスクハイリターンの運用を行うのであって、元本割れの危険性を大きくはらむものです。特に国家が関わるファンドにおいてそのような運用方針をとることは、国民のコンセンサスを得ることが難しく、また市場への影響も多大なものとなります。
さらに、日本の外貨準備高は
政府短期証券(FB)が財源となっています。したがって、余剰資金があるのならば、高利回りを求める以前に外貨準備高を削減し、FBの発行を抑えるべきだとの意見です。
また、日本の外貨準備高は幾度の為替介入により、
約100兆円までに膨れ上がっています。これは一般財源と区別した外国為替特別会計の枠組みで運用されており、いま話題の埋蔵金の一つではないかとの議論もなされています。
これらの議論はまだ始まったばかりであり、日本版
SWFの実現はまだまだ遠い道のりのようです。
ソブリン・ウェルス・ファンド(Sovereign Wealth Funds:SWF)とは、各国政府が直接・間接的に運営するファンドのことを指します。
国家が保有する金融資産を最大限活用し、多様な資産への投資を行っています。
民間のヘッジファンドと比較してもその規模ははるかに大きいもので、国際金融における存在感は圧倒的なものです。
最も有名な
SWFは先に述べたアブダビ投資庁ですが、他にもシンガポールや中国の
SWFが有名です。
主要な各国のSWF
UAE
| →アブダビ投資庁
|
シンガポール
| →政府投資公社、テマセク
|
中国
| →中国投資有限責任公司
|
クウェート
| →クウェート投資庁
|
ノルウェー
| →政府年金基金
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ロシア
| →ロシア安定化基金
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なぜ、いまSWFか?
SWFが昨今存在感を増してきた背景には、多くの
SWFが積極的な運用方針にシフトしてきたことによります。
元来、政府が保有する金融資産はその性格上、国債など低リスク性商品への投資が基本であり、高収益を求める積極運用は敬遠されてきました。
しかし最近の
SWFの動きは、一企業への出資など、リスクを限定したものではありません。資源高騰により中東諸国が潤沢なオイルマネーを保有していたり、外貨準備高が膨れ上がっているからです。
SWFのポートフォリオはその多くが国家機密とされ開示はほとんど行われていません。
しかしその規模や政府がバックについているという性格ゆえ、世界の注目を集めているのです。
日本版SWF
日本にも
SWFを創設する背景は整っています。外貨準備高は
中国に次ぐ世界第二位でありながら、その多くが米国債で運用されており、余剰資金をさらなる高収益投資対象で運用すべきとの声は与党からも上がっています。
しかし現実には、日本版
SWFの実現は容易ではありません。
主な反対論はリスクアレルギーと国家債務の削減です。
SWFはその性質上、ハイリスクハイリターンの運用を行うのであって、元本割れの危険性を大きくはらむものです。特に国家が関わるファンドにおいてそのような運用方針をとることは、国民のコンセンサスを得ることが難しく、また市場への影響も多大なものとなります。
さらに、日本の外貨準備高は
政府短期証券(FB)が財源となっています。したがって、余剰資金があるのならば、高利回りを求める以前に外貨準備高を削減し、FBの発行を抑えるべきだとの意見です。
また、日本の外貨準備高は幾度の為替介入により、
約100兆円までに膨れ上がっています。これは一般財源と区別した外国為替特別会計の枠組みで運用されており、いま話題の埋蔵金の一つではないかとの議論もなされています。
これらの議論はまだ始まったばかりであり、日本版
SWFの実現はまだまだ遠い道のりのようです。